全日本剣道連盟居合について

全日本剣道連盟居合は、剣道を意識して各流派居合の基本的なものを抽出して再構築された居合です。「正しい身体運用、剣の位置、角度等」が「日本剣道形」と同様、細部にわたり記述されています。

全内容は下記のリンクをクリックし全剣連HPから読むことが出来ます。

 

●下記の一覧表は「全日本剣道連盟居合(解説)」から要義と審判上の着眼点を抜き出しまとめたものです。

 

●「剣窓」では6,7段昇段審査の講評として下記のような指摘事項が掲載されています。

2本目後ろ

・平成17年11月 『後ろ』で抜き付け時に左足をやや左寄りに踏み込む動作がほとんどの人が出来ていない。なぜ左足をやや左寄りに踏み込むのか理解していないと思われる    

・平成18年6月 「後ろ」:正面の敵に向き直ると同時に、敵のこめかみに抜き付けます。この鞘離れが大切ですが、鞘引きが足りないため間が合っていません。                  

・平成18年11月「後ろ」・・・・稽古量が見えなく、回り方が不安定。

3本目受け流し

・平成15.11 頭上前方に抜き上げた刀で、上体をかばった姿勢。鎬で受け流す。この時、右手の小指に締りが無ければ、打ち込まれた時に自分の刀で自らの頭や肩を切ってしまう事になる。 また、肩口からの袈裟切りは、近間を想定している故、腰で引いて切る気持ちが肝要に思う。                                                            ・平成17年11月 受け流し』は左足の出し方が大きく、上体をかばう姿勢が不十分であり、なぜ左足を右ひざ頭の線から前に出してはいけないのか、右足を【イの字】の形にもっていくためには体をひねりながら立ち上がることとなり、その体さばきの動作と自己の刀の防の部分(鍔元から刀身の3分の1位までの所)で敵の刀勢を受け流すということが理解されていない。い。                                                               ・平成17年6月「受け流し」:受け流しの体勢で上体をかばった姿勢が不正確であり、袈裟に切り下ろした剣先が下がりすぎています                                               ・平成18年11月 受け流しの体勢にて、上体をかばった姿勢になっているか」のところが、正しくない方が多く見られる。                                                     

・平成19年6月★「受け流し」 刀を抜き上げた時、ほとんどの方が、右手小指が遊んでいました。これでは剣先も死んでいますし、受け流せません。

4本目 柄当て

・平成16年6月 。「柄当て」では、柄頭を敵の水月に確実に当て、後ろの敵の水月を突き刺す際に、体が不安定にならないようにする

5本目 袈裟切り

・平成

6本目 諸手突き

平成15年11月突く部位は剣道では咽喉部が主であるが、居合では「水月」(みずおち)を突き刺すのである。突き技は突き放しではなく、必ず引き抜きが無ければならない。そして諸手突きから引き抜き、左足を左に踏みかえ、受け流しに頭上に振りかぶる動作を同時に行うのであるが、受け流しに振りかぶるとは、刀を引き抜いて振りかぶる一連の流れの動作の中で、一瞬刀で自分の頭上をかばう動作であるが、極端に刀先を下げない。また、柄の部分では受け流しとならない。

平成16年6月 諸手突き」では、敵の右斜め面を抜き打ちする際、刃筋を正しく顎まで切り下ろす。                                                                                                     

                                                                     ・平成17年11月 『諸手突き』は顎までの抜き打ちが高く、刀を中段に下ろして剣先の高さは喉であり、更に水月を突き刺すので剣先の 高さが3段階に変化するのであるが、これが出来ていない人が多い。

                                                                       ・平成18年6月●「諸手突き」:敵の右斜め面に抜き打ちした際の刃筋が不正確であり、正しく顎まで切り下ろしていません                                                                                                                                    ・平成18年11月諸手突き」・・・・この技は、諸条件が種々含まれており、難しいようで、右斜め面を顎まで切り下ろせていない方・「中段になりながら」のところで、柄を引き付けて構えてピストン突きになる方・「刀を引き抜きながら」のところで、手の内硬く体側に持ち歩く方等が多かった。              

 ・平成19年6月 諸手突き」 右斜め面への抜き打ちの刃筋の”角度”が不正確でした。さらに剣先の高さを顎までと意識する余り、右手の拳が腰の高さになり、切り手になっておらず、突きも不正確で水月を突いていません。

              

7本目 三方切り

 

 平成15年11月 正面の敵を圧する「気攻め」と右敵に対する片手抜き打ちが注意点となる。 とかく片手技は形式的になり威力が無く、もっぱら切り下ろしのみに重点を置いている感がある。居合は鞘放れの一瞬の「抜き付け」と「抜き打ち」が生命と言われている。

 

・平成19年6月★「三方切り」 正面の敵への攻めがありません。複数の敵の場合は特に身構え、間と間合をしっかり指導頂き、技を磨いて下さい。平成18年6月             

8本目 顔面当て

①柄頭で両眼の間を正しく突いているか。
②後ろの敵に対し、右こぶしを正しく右上腰にとっているか。
③後ろの敵に完全に向き、かかとをわずかに上げて突いているか。
④かぎ足で突いていないか。

   

9本目 添え手突き

①右袈裟に抜き打ちしたとき、右こぶしはへその高さとなり、切っ先は右こぶしよりわずかに上がっているか。
②左手が刀身の中程を親指と人差指の間で確実にはさみ、右こぶしは右上腰に当てているか。
③腹部を突き刺したとき、右こぶしはへそまえで止まっているか。
④残心のとき、右肘が曲がったり、右こぶしが右乳より高くなったりしていないか。

10本目四方切り

・平成15年11月 一重身からの片手突きは、単に威嚇ではない、突き刺す気持ちで。

また、突いた後、腕ではなく、腰の回転で引き抜けば、受け流しに振りかぶりも同時にできる。

・平成16年11月 『四方切り』は右斜め前の敵の右拳に柄当てすべきところが右寄りとなり過ぎるため、

一重身となり真後ろを突き刺すために体を捻らなければ突き刺せないこととなる方向違いの方が多く、

また、切り下ろした刀が水平に止まらず下がってしまう。更に【脇構え】になりながらの剣先が上がっている人が多く見られた。

・平成18年6月 四方切り」:突いたとき、左右の絞り込みが不十分で、全体に錬度不足を感じました。た。・   

                                                       ・・平成18年11月「四方切り」・・・・突いた時しぼり込みがまずく、右足先が流れる方・脇構えの剣先高く、脇構えにならない方等が散見された。      

・平成19年6月「四方切り」柄で敵の拳を攻撃した時、多くの方の目付けが手元です。また、体の運用と腰の捌きが出来ていない為、動作が一つ一つ切れてしまいます

以下続く